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カテゴリ:イベント報告

澤×長谷川の対談!~はたけClubの活動から見えてきたこととは~

 

 

 「はたけClub」は、隠岐國学習センターと隠岐島前高校の男子寮「三燈」が運営する課外ゼミです。海士町東地区にある畑の一画を地域の方からお借りし、「地域に開かれた場」となることを大切にしながら活動しています。現在は、高校生チームと大人チームとで畑を半分ずつ耕作し、それぞれのやり方で野菜を育て、学んでいます。

 

 

 はたけClubが始まった1年前、休耕地だった畑をお借りして開墾することからスタートしました。女性の背丈ほどの草が生い茂る草むらだった畑を、地域の方々の協力を得ながら少しずつ耕しました。地道な作業に苦労しつつ、学びとのつながりを意識しながら理想の畑の姿を探究してきました。2年目をむかえるはたけClubをどのように創っていくのか。1年間はたけClubを見守ってきた、隠岐國学習センターの澤さん・長谷川さんの2人の対談から「未来の種」を探っていきます。

 

―1年間「はたけ」を続けるなかで起きた変化―

 

澤「早速だけど、『はたけ』をやり続ける中でどんな変化があったの?」

 

長谷川「農業が楽しいと思って、願わくば起業したいと思いました。」

 

澤:「すごいね!」

 

 

長谷川:「種から野菜を育てるなかで学びの要素を感じ、『自分でも生産できるんだな』『高校生が実際に野菜を育て・売るということができるのだから、大人にもできるのでは』と思って。今まさに新しい働き方を模索していることもあり、この地域で塾のスタッフとして働きながら、複業的な働き方をしてみたいという発想に至りました。」

 

澤:「将来的に自分の職業にしたいという楽しさから、ワクワク感が出てきたんだ。」

 

長谷川「そうですね。」

 

澤「きっかけは何かあるの?」

 

長谷川「やはり学びの要素がないとその発想に至らないと思います。隠岐國学習センターとして『学びの畑』であること、『学ばないところから学ぶ』ということを大事にしています。あくまで今の職業と結びついた延長線上に畑があります。やりたいのは農業×学び×地域活性ですかね。」

 

澤「直接のきっかけがあったと言うよりは、農業×農業×地域活性を考えるなかでアイデアが出てきたのかな?」

 

長谷川「でも、やっぱぼんさん*の存在ですかね。いい人だったなって。」

 

 

澤「いい人だったよね。やっぱり最初の師匠との出会いは大きいよね。」

 

澤「ぼんさんはどんな人だった?」

 

長谷川「『指導者』という感じはしなかったですね。あくまで補助輪的な役割で、生徒にアドバイスをしたり、道具を貸してくれたりして、指導者らしいことを意図的にやっていなかったんじゃないかな。」

 

澤「今は島外で活動されているけど、SNSで見る彼の活躍は、僕らにいい刺激を与えているよね。」

 

長谷川「本当にそうですよね。」

 

―生徒の学び―

 

澤「生徒にとってはどうかな?『はたけ』をすることでの効果はある?」

 

長谷川「ありますね。学校の授業で『はたけ』について考えたり、将来的には部活動にしたいという声も聞いたりしていて、だんだんと学校ともつながってきたと感じています。大人たちから働きかけたわけではなく、生徒たちが自分の『はたけ』を良くしたいという想いで動いていて、この1年での成長が著しいし、効果はあったと思います。」

 

澤「学習センターの夢ゼミでも、おいしい野菜を作りたいと言っている生徒がいて。一方では『持続可能な社会を作りたい』とか『世界中から飢餓をなくしたい』という意識があって、そこがどうつながるのか。自分の実体験と社会の課題や目指すべき方向を結びつけることへのリアリティをすごく感じたよね。」

 

―これからの展望―

 

 

長谷川「今は展望というものがハッキリとは見えていないです。でも、他の団体の取り組みを学んだりするなかで何かが見えてくるんじゃないかと思っています。ただひとつ今言えることは、『質』を上げていきたい。今ある畑をよりおもしろく魅力的にして海士町内に広げていきたくて、そのためにも質を上げることが必要だと思います。良い野菜が採れるということだけじゃなく、地域の人が集まるとか、学びの環境があるとか、今後の探究テーマですね。」

 

澤「なるほどね。『はたけ』を見てて思うのは、『ないものはない』なんだよね。」

 

長谷川「うん、たしかに。自由に水を撒けないし、肥料もどうしようかという状況にも陥りましたね…。」

 

澤「一方で人の縁とか、助けてくれる人の存在があって、あるものはあるんだよね。人の助けを借りて道具を借りたりとか、地域の人からその土地の知恵をいただいたりとか、『はたけ』がネットワークになっている。そして『作る』というもう一つの要素があって、それをみんなでないものからあるものにして、ひとつの商品として価値を作っていくことで、海士町の掲げる『ないものはない』精神を体感できるよね。活動を通じて、一人ひとりの身体に精神が血肉化されていくのが感じられて、すごくおもしろい。」

 

澤「そして、精神を学べるという点では、いわゆるコンテンツ化された学びのように毎回が設計されたものじゃなく、自発性をもった学び、『あれがやりたい』『こうしよう』というものが雪だるま式に増えていくことがすごいおもしろくて、これこそが教育かもしれないと思うことがたくさんあるよね。」

 

長谷川「たとえば野菜育てるときも、結局は目の前の課題を解決することが求められるけど、そのためには先を見越して逆算的に何をしなきゃいけないか考えないといけないですし、この思考やプロセスは『はたけ』で身につきますよね。」

 

澤「うんうん。『逆算的な考えを身につけましょう』みたいな教育上の目的があるんじゃなくて、自分たちがより良い野菜をつくるためにはそれを知らないと前に進めないっていう、自然と学ぶ意欲みたいのが出てきて、それで結局課題解決の力がついたりするよね。」

 

長谷川「1年目の失敗が活きてきているな、と改めて感じますね。」

 

澤「まさに失敗から学ぶだね。そしてその失敗を許容してくれる、地域の懐の深さもすごく大切。」

 

長谷川「あの荒れ果てた様子や、出来の悪い野菜たちを見て、地域の人が何か言いたくなる気持ちがすごく分かりますよ。でもそこで協力してくださるとこがすごい。」

 

長谷川「澤さんの展望は何ですか?」

 

澤「ポテンシャルを実感できたから、例えば離島・中山間地域にある学校の人たちに畑×学びの価値を少しずつ伝えていきたいし、他の団体ともコラボしながらやっていきたいな。最近、農業について書かれた新聞記事を集めるようになって、全国の取り組みを見る中で、今やっていることの可能性をすごく感じるよね。」

 

*ぼんさん(石川法泰さん:愛称は「ぼんさん」。日本農業経営大学校を卒業後、農業×教育の可能性を探るため海士町に移住。2018年1月に地元の愛知県に戻り「teranova-てらのば-」の屋号で農業に携わる。)

「じぶん夢ゼミ」発表会を開催しました!(インターン寒川)

こんにちは。インターンの寒川です。

さて、学習センターでは自立学習を行う通常授業の他に、夢ゼミというプロジェクト学習型の授業を学年ごとに設けています。

去る7月14日に、8期生である高校3年生の夢ゼミ最終報告会が行われました。2ヶ月ほど前の出来事で日を遡ってしまいますが、その様子をお伝えします。

 

3年生の夢ゼミは「じぶん夢ゼミ」と称して、昨年12月から7月までの8ヶ月の間、週1回、じぶんに焦点を当てた探究活動に取り組んできました。

ある時は一人で黙々と、ある時は仲間と対話をしながら、そしてある時はゲストとの交流を通して、これまでのじぶんと向き合い、これからのじぶんについて考えてきました。

将来の夢が明確な者、志望校に悩んでいる者、学部選びに迷っている者など生徒によって進度はバラバラですが、集大成である最終報告会に向けて、それぞれが持っている想いを言語化するために一人一人努力してきました。

最終報告会本番では、夢ゼミを受講している3年生約45人が4会場に分かれて発表をしました。一人に与えられた持ち時間は、発表、会場からの質疑応答を含めて10分間。限られた時間の中で、高校の仲間、保護者、学校の先生、島留学生の島親さん、地域の方々などこれまでお世話になった方たちの前で、一人一人の生徒が成長した姿を見せてくれました。

一人ひとりが想いをこめて発表します

私は、当日スタッフとして、運営の補助をしながら、生徒の発表を聞いていたのですが、どの会場もこれまでに感じたいことがないような、熱気に包まれていました。どの生徒も一つ一つの言葉を丁寧に紡ぎ、綺麗な言葉じゃなくても泥臭く、飾らないありのままの言葉で自らの想いを本音で伝えていました。そんな彼ら、彼女らの表情はいつになくイキイキ輝いており、背伸びをしない、等身大の自分で勝負をしている姿がとても印象的でした。

自分の夢を語る生徒

ある生徒は口頭で自分の夢について語り、ある生徒はパワーポイントを駆使して大学での学びについて言及し、ある生徒は理想のライフスタイルについて手書きの紙を使って説明し、ある生徒は自らが挿絵を描いた絵本の朗読をするなど、一人一人が持っている個性を爆発させた本気の発表でした。その熱意は聴衆にも伝わり、質疑応答の時間では少し厳しくも愛のこもった質問や応援のコメントなどが多くあり、発表者と聴衆が一体となって夢について深める良い対話の時間となりました。

彼女は自作の絵本(物語は学校の先生)を発表しました

最終報告会終了後、スタッフと生徒で振り返りの時間が持たれました。そこでは、様々な表情が見られました。やりきったと達成感に溢れ笑顔の生徒もいれば、悔しさがにじみ涙をこぼしている生徒もいました。

 

振り返りの様子

ただ、今回の最終報告会はゴールではありません。十人十色の夢を実現させていけるかは、これからの生徒の努力次第です。そのため、発表が上手くいった生徒も上手くいかなかった生徒も、発表をスタートとして、今後それぞれの描く夢に向かって邁進してもらいたいと思います。また、私たちスタッフも生徒一人一人の望む夢、進路の実現に向けて、卒業まで共に伴走していきたいと思います。

 

インターン寒川

「ABD(Active book dialog)世界史学習会」を開催しました!(インターン寒川)

こんにちは。インターンの寒川です。
梅雨の季節ですが、島前ではほとんど雨が降らず、なんだか変な気分です。

学習センターでは平日のみならず、休日にも様々なイベントが催されています。
ABDとはActive book dialogの略で、テキストを参加者で分担して読み、
紙に要約して、全体に発表・共有し、
内容について議論する全く新しい読書法です。

これまでは、試験的に学習センターのスタッフ同士でビジネス書を用いて実施していたのですが、
今回は生徒を対象に学習を深めるためのツールとしてABDを実践しました。

イベントには世界史を履修している高校3年生7名と高校2年生2名が参加し、
中経出版の「タテで覚える世界史B」という参考書を用いて、学びを深めました。
この参考書には、高校の世界史で習うほとんどの内容が網羅されているので、
上手くいけば「たったの3時間で世界史の流れ全てを網羅」できることになります!!

この一見すると無謀とも思える挑戦に高校生9人が挑みました。

まずは、テキストを分割し、担当を割り振ります。

テキストを手にした生徒たちは「アメリカ」「東南アジア」「中国」「ドイツ・フランス」など、
それぞれの担当地域の歴史を紐解いていきます。

習ったことがない内容や以前習ったけどすっかり忘れてしまった内容に苦戦しながらも、
黙々と読み進め、与えられたA4用紙に内容をまとめていきます。
限られた時間の中で、テキストを読み、要約を完成させるために、
頭をフル回転させ、己の限界に挑戦している生徒たちの姿がとても印象的でした。

必死に要約する生徒たち

次に、それぞれが担当した内容を要約の紙を用いながら、
全体に共有しました。
リレープレゼン形式で一人一人ができるだけみんなにわかりやすいように、
伝わりやすいように工夫を凝らした発表を見せてくれました。

私たちインターンは、「あれだけ複雑な歴史の流れをこれだけシンプルにまとめてくるのか!!」と
高校生のポテンシャルに終始、脱帽していました。

自分が担当した箇所を発表していきます

最後に、全員分のまとめの紙を机に並べ、それを眺めながら対話の時間を設けました。

皆がまとめたものを並べて観賞

こちら側が何も言わなくても、
「この国とこの国が当時対立していたのか」
「この出来事がこっちの国のこの出来事につながっているんだね」
「世界が戦争をしている時、この国は国内が揉めていたんだー」
といった、世界史の流れや各国同士の歴史の繋がりへの理解を深めるような会話がいたるところで発生していました。

ダイアログを通して、個々人の学びを全体に集約させることにより、
一人では得られないような、より大きな学びを一人一人の生徒が手にしているように見えました。

 

気が付いたこと、思ったことをシェアしていきます

今回の企画を通して、生徒全員がテキストの内容を理解し、
世界史の流れを押さえることができたとは言い切れません。
しかし、そのきっかけとなる糸口は一人一人が掴めたのかなと感じています。

一人でやる勉強ももちろん大切ですが、今回のように仲間同士で学習をすることで、
学びの効率化・最大化を実現することができるかもしれません。
これからは、私たちがいなくても、
生徒が主体的にABDを活用した学習に取り組んでいってくれるのではないでしょうか。

今後も様々な機会を通して、生徒たちにとって武器となる学びのツールを、
共に試行錯誤しながら渡していければなと思います。
寒川

写真講座開催しました!(インターン今井)

こんにちは。インターンの今井です。
立春を迎え、ほんのちょっぴり春を感じることができてきました。
とはいえ、まだまだ寒い日が続くので体調には気をつけたいところですね。

さて、2月4日に学習センターにて写真講座を行いました。

この講座は、カメラを少しかじっている私、今井と写真に興味のある生徒が写真のあれやこれやを一緒に考えていく不定期開催の講座です。おかげさまで毎回生徒から大好評をいただいており、今回で実に4回目。嬉しい限りです。にんまりです。
今回のテーマは「自分にとって”いい写真”とは。」
自分が「これいいね!」「すごく好き!」と思う写真ってどんな写真だろう…。
「自分にとっての”いい写真”とは」という問いに、自分が納得できる言葉で答えられるようになることが今回の目標です。

まずは、各自持参した「自分にとっての”いい写真”」を発表。
どこがいいと思ったのか。なぜいいと思ったのか。質問が飛び交いました。
いやぁー、熱い!写真への思い入れが熱い!みんなの心はもう写真家そのものでした。

「自分にとっての”いい写真”とは」という問いに答えはありません。もっと言うと、自分の中にしか答えはありません。合言葉は「自分らしさを爆発させよう!」。他人と違おうが違わまいが、関係ないのです。自分が納得できれば”いい写真”なのです。

しかし、自分の内面を表に出すのは恥ずかしいものだから、どうだろうか…。と思っていたのですが…。

なんということでしょう。
あれよあれよと言う間にそこらじゅうでが「自分らしさ」が爆発しているのではありませんか!
ある生徒は「メッセージが込められた写真がいい写真」。また、ある生徒は「ひたすら笑える写真がいい写真」。そのほかにも「私にしか撮れない写真だと思える写真がいい写真」「いろいろと想像できる写真がいい写真」などなど。
この講座を通して「自分にとっての”いい写真”とは」との問いに対して生まれたフレーズの数は合計40コ。参加生徒が12人なので、1人あたり3.5コのフレーズをひねり出しました。各生徒が複数のフレーズを生み出していたので、最終的にはフレーズを一つに絞って、集合写真をパシャリ。

 

これでいいのだ系男子(自称)として生きている私、今井ですが、
まさしく、生徒と一緒に「みんないいのだ!これでいいのだ!」と感じることのできた、いい時間でありました。

 

インターン今井

特別夢ゼミ開催!テーマはIT漁業!(インターン今井)

こんにちは。インターンの今井です。

早いもので2016年もあと少し。そういえば、今年の漢字は「金」だったそうで…。皆さんにとって、今年の漢字は何ですか?私の今年の漢字は「挑」です。おかげさまでいろんなことに「挑」戦できた1年でした。ありがたい話です。皆さんも2016年を振り返ってみてはいかがでしょうか?

さてさて、12/16(金)に、公立はこだて未来大学の和田雅昭教授と長崎健准教授をお招きして特別夢ゼミ講座を実施いたしました。

テーマはズバリ、「マリンIT」。
和田先生いわく、マリンITとは、海の環境や資源の「見える化」のためにIT技術を活用したものとのこと。

この「見える化」という言葉。マリンITにおけるキーワードです。

和田先生がマリンITに取り組むようになったきっかけは、地球温暖化により海の環境が急激に変化している現在において、よりいっそう計画的・安定的かつ持続可能な漁の必要性を感じたからでした。

和田先生
和田先生のお話

現在は、最新のIT技術を駆使し、「うみのアメダス」を用いた海洋環境の見える化、「うみのレントゲン」を用いた水産資源の見える化を日本全国で推進されています。

「うみのアメダス」とは、日本の海にユビキタスブイと呼ばれる小型安価な水温観測ブイを設置することによって、日本中の気象状況を見える化しているアメダスのように、海洋環境の「見える化」を進める施策のことです。「うみのレントゲン」とは、漁師さんの航跡や漁獲量などをデータ化し、水産資源の「見える化」を進める施策のことです。これらにより、よりいっそう計画的・安定的かつ持続可能な漁が実現可能になると和田先生はおっしゃっていました。

そんな素晴らしい取り組みをなされている和田先生ですが、気をつけていらっしゃることのひとつに、「そのデータを使いたい人に見やすく、わかりやすく」ということがあります。漁師さんの大半が70代以上の高齢者である地域も多いらしく、その人にとって見やすいデザインを追求するのもマリンITを推進する上での大切な要素の一つだそうです。

 

さて、お次は長崎先生のお話。

長崎先生は画像工学のプロフェッショナルであり、マリンITのキーワードである「見える化」に大貢献されているお方です。小型の高性能カメラ(アクションカム)を駆使して水中撮影をし、実際に魚はどうやって仕掛けにかかるのかを「見える化」して分析することを主なお仕事とされています。例えば、タコ漁を水中撮影し、どうやってタコが仕掛けにかかるかの一部始終を撮影しその後分析をするといった感じです。実際にタコ漁の映像を見せていただいた時、生徒が食い入るように映像を見ていたことがとても印象的でした。

珍しい映像ですから、私も食い入ってました。(笑)

今まで水中で起きていて全く見えなかったことが技術の進歩で見えるようになる。これが海の「見える化」か!と鳥肌が立ちました。

長崎先生のお話
長崎先生のお話

地球温暖化による海洋環境の急激な変化のため、水産資源の増減が激しくなった漁業を「見える化」(データ化、数値化)し、情報を収集。その情報をユーザー(漁師さん)に見えやすい形で提供することによって、よりいっそう計画的・安定的かつ持続可能な漁が可能になる。これがマリンIT。かっこいいですね。
講演後、生徒が先生方にこれでもかというくらいに質問を投げかけていました。
生徒にとっても非常に有意義な時間であったことは間違いなしです!

生徒からの質問攻めに遭う先生方
生徒からの質問攻めに遭う先生方

また今回、和田先生と長崎先生はマリンITを海士町に導入するために来島されました。

岩牡蠣の養殖場にユビキタスブイを設置後に、隠岐國学習センターに来ていただいた次第です。

これで、より多くの人々に海士町ブランドの「いわがき春香」をお届けできることでしょう。海士町×マリンITの今後に期待です!
和田先生、長崎先生、貴重なお話ありがとうございました!!

 

今井

「本気のデザイン塾」を開催しました!(伊木)

こんにちは。スタッフの伊木です。
寒さも増してきて、学習センターでは毎日薪ストーブが焚かれるようになりました。

12月10日(土)に、「本気のデザイン塾」を実施しました。講師として、京都造形芸術大学の吉田大作さんと酒井洋輔先生にお越し頂きました。
10月中旬に遠隔で行った授業の第2弾です。
前回参加した生徒たちはこの日を楽しみにしていました。

まずは、「デザインとは何か」のお話。
酒井先生の今までされてきたお仕事の紹介を通じて、
デザインとは、「絵を描くこと」ではなく、「人の気持ちを動かすこと」であること、
見た目の印象を作ることというイメージを持たれがちだが、そうではなくクライアントが本当は何をしたいのかを掘り当てていく仕事だということのお話がありました。
「デザイン」は「絵がうまくないとできない」というイメージを持っていた生徒は驚いた様子です。

授業の様子
授業の様子

次に、「人に伝える」ことの体感のワーク。
「自分の好きな食べもの」を一切言葉を使わずに、ジェスチャーのみで伝えることに挑戦。

「好きな食べ物」を言葉を使わずに伝えてみよう!
「好きな食べ物」を言葉を使わずに伝えてみよう!

伝わったグループもあれば、伝わらないグループも。
同じ情報を発信しても、伝わる人と伝わらない人がいて、受け手によって大きく変わることが分りました。
今回の講座の宿題は、「島前らしいと感じるもの」を持ってくることでした。
グループで共有した後全体に発表しましたが、酒井先生から厳しいコメントが。
「これって、ここにしかないの?」
「他のところにも同じものがあるんじゃない?」
「ここにしかない”らしさ”って何なの?」
生徒たちは戸惑いつつも、改めて島前にしかない”島前らしさ”を考え直すことにしました。
先生達からは、「自分たちの近くにある、すごく身近なものを見つめ直してみて」というアドバイス。

島前にしかない…らしさとは何だろう?
島前にしかない…らしさとは何だろう?

どのグループも頭を悩ませています…。

 

最後に改めて発表。
釣り具が売られているガソリンスタンド、あまマーレ、隠岐汽船の本土行きのチケットなど様々なアイディアが。
最初よりも、ここにしかない”島前らしさ”に近づけたようです。
吉田さん・酒井先生からは、そういった自分たちのらしさを考え続けるプロセスが大切だということを講評いただきました。
アイディアは、既存の情報の組み合わせ。他の人が持っていない情報を持っていると新しいものが生まれる。
逆に、他の人と同じ情報媒体しか持っていないと皆と同じになって、新しい気付きが生まれづらい。
だからこそ、この地域でしか味わえないことや出会えないことを考え、経験することが自分が他の人が持っていない情報を持つことに繋がる。
そして、皆と違えば違うほど求められる、とも。

 

生徒たちからは、こんな感想が出ました。
「”~らしさ”って考えるのは難しいと思いました。」
「きっと自分にしかない「自分らしさ」があります。それを3年しかない島での生活で見つけようと思います。」
「デザインというものは、センスとか絵のうまさとかだと思ってたけど、気付きや経験や、お客さんの気持ちで出来ているということを初めて気付きました。」
「将来来まちづくりをしたいと考えているから”まちらしさ”が何なのかを考えないとなぁと思った。」

“デザイン”に対するイメージがガラっと変わったようです。
私自身も、「島前らしさ」や「学習センターらしさ」を考え続けていきたいと思います。
吉田さん、酒井先生、貴重な授業をしていただき本当にありがとうございました!!

追伸:
「サインを貰えば夢が叶う」という噂の吉田さんにサインを最後にちゃっかり頂く生徒たちでした。

吉田さんにサインを頂こう!
吉田さんにサインを頂こう!

伊木

イベント「チョコレートが商店に来るまで」が開催されました!(石田)

10月14日(金)隠岐國学習センターの土間でチョコレートにまつわる
イベントがあり参加しました。

チョコがどのようにして手元まで届くのか?また外資系の企業で様々な国を行き来する働き方についてお話しをしていただきました。
講師の川上晃史さんは外資系企業のマースジャパン(スニッカーズや
m&m等のヒット商品をうみだしたチョコレート会社)に在籍され、
海外を舞台に幅広い働き方をされています。

最初に参加者の自己紹介を兼ねてチョコレートにまつわるエピソードを
話しました。

私個人的にもそうですが、チョコレートが好き!の参加者が多い中、
「死ぬ前に最後の晩餐として食べたいモノはチョコ!」
という生徒もいて、チョコに対する本気度の違いを感じました(笑)
さて、チョコはどうやってできているのか?

その謎を解く前にまずはチョコレートをたべてみましょう。
ということで、待っていました!試食タイム!

まずは原料であるカカオを味わって。
(写真IMG_7098:皮を剥いて中の粒をいただきます)

それからカカオ85%以上の手作りチョコレートや
ミルクチョコレート、アメリカ限定のm&m商品も
ちょこっとずついただきました(チョコだけに)

モグモグモグ・・・
モグモグモグ・・・

カカオは高い木に黄色い実がなります。
その実を割り白い果肉を発酵させることで
その中にある種の風味が増し、これがチョコレートの原料となります。
この種をすり潰すと油分が液体となり、そこへ砂糖をまぜることで美味しい
チョコレートになるそうです。

カカオがいっぱい
カカオがいっぱい

後半はチョコレートが取り巻く社会問題や対策について伺いました。

川上さんが勤める会社の活動の一環として、カカオ苗の品種改良をしているそうです。

カカオ
カカオ収穫体験の説明の様子

なぜ苗の品種改良なのか、答えは予想したものとは違うものでした。

~途上国に多いカカオの原産地において、高い木からカカオを収穫する作業は大人よりも
身体が小さくて軽い子供の方が向いているため、子供たちは学校に行くことよりも農園での
働き手として、かり出されてしまう。
低い木に実がなるように改良されることにより、大人でも収穫作業が出来るため
子供たちは労働を強いられず学校に行くことができる。

また遺伝子組み換えをせずに、おしべとめしべを掛け合わせて品種改良の研究をすることは
膨大な労力がかかる上、企業の利益にもつながらない。
けれども、社会の仕組みを良くするためには必要なことである~

チョコレートを介して、新しいことを知りましたそして新しい出会いがありました。

参加者からは今度はカカオの豆からチョコを作ってみたい!という声があがっていました。
次回が待ち遠しいです。

石田

江津市嘉久志町の中学生との意見交換会を開催しました!(長谷川)

9月25日(日),隠岐國学習センターにて,

島根県江津市嘉久志町の中学生と島前高生による意見交換会を開催しました。
この会は,中学生が江津市を飛び出して他地域の取り組みを学んで,外を知り,自分が住む町の良さと課題を知ることをねらいとしています。
到着後,学習センターのスタッフから館内案内を受けます。

スタッフから館内案内を受ける中学生たち
スタッフから館内案内を受ける中学生たち

いよいよ意見交換会へ。

まずは,中学生から嘉久志町の紹介がありました。

高校生たちにプレゼンする中学生
高校生たちにプレゼンする中学生

「日本一住みやすいまち、住みたいまち、嘉久志町」をスローガンに掲げる同町の人口は約3,052人,世帯数は1,435世帯ほど。
実は,嘉久志町と海士町はこの夏に姉妹縁組を締結しています。

嘉久志町では,共通の目標や話題がない,

人間関係が希薄,という地域課題の解決に向けて,
「リレー拡縁会」「蛍と花いっぱいプロジェクト」「貯筋クラブ」など
多様な取り組みがなされていることを紹介いただきました。
しかし活動を始めて3年目,若い世代の参加が少ないこと,
現リーダーの高齢化が進んでいるなど,新たな課題もたくさん見えてきたそうです。
なるほど,次世代を担う中学生たちが,外を見,外から学び,自らの町の良さと課題を知ることが求められているということです。

続いて,「学ぶ(  )将来」をテーマに,島前高校生たちが,高校3年間どのような学びをしてきたのか,その学びが将来にどうつながると考えるのか,発表してくれました。

カッコの中に,皆さんは何を入れますか。「→」「=」「×」など,自分だったら何を入れるか,考えてみてください。
『学ぶ( )将来』について考えてみよう
『学ぶ( )将来』について考えてみよう

「日頃から「なぜ」を大切にしている」

彼は,自分自身を知り行動していくことが将来につながる,と発表してくれました。
「新しい自分を探しにこの島に来た」彼女は,自分から逃げないこと,
今を踏ん張っていく力が,将来の自分を作っていく,と言います。
「地元の景観を維持していきたい」彼女は,やってみないと何も始まらない,
行動してみて初めてわかることもある,と中学生に話をしてくれました。

 

中学生たちにプレゼンする高校生
中学生たちにプレゼンする高校生

その後は,中学生と高校生のフリートーク。

 

高校生と対話する中学生
高校生と対話する中学生

学業,将来の夢,恋愛など,様々な話題が飛び交います。
まとめを終えて記念撮影をし,これにて意見交換会終了。
…と思いきや,まだまだ話し足りないようです。

 

記念撮影後,談笑する学生たち
記念撮影後,談笑する学生たち

この場に立ち会えて良かったです。

『 学ぶ(  )将来 』

中学生は,高校生から何を学んだのでしょうか。

高校生は,中学生から何を学んだのでしょうか。

なぜ自分たちは学んでいるのでしょうか。
学んだ先にある将来は,果たして自分だけの将来でしょうか。
いいや,違うはず。

意見交換会に参加いただいた保護者の方の言葉が,とても印象的でした。
「私は,(  )には,「←」が入ると思う。
学ぶということは,将来に立っている先人たちからの,メッセージを受け取ることだと思うから。」

「学ぶ」は「真似ぶ」とは,よく言ったものです。
中学生にとって,真似られたい高校生でしたか。

中学生は,真似たい高校生がいましたか。

いたら学んでください。
真似てください。

『 学ぶ(  )将来 』

皆さんは(  )に何を入れますか。

中学生の皆さんには,今回の学びを江津市に持ち帰ってもらい,
今後の自分と町の将来を考えてもらいたいですね。
長谷川

宮崎県の飯野高校と遠隔授業を開催しました!(インターン長谷川)

こんにちは。
インターンの長谷川です。

 

2週間の期末試験期間が終了し、学習センターは通常授業に戻りました。

この間、進研模試や球技大会、講演等の行事が盛りだくさんでしたが、しっかりとテスト期間の振り返りを行い、

夏休みの学習に向けて頑張っていきましょう。

 

さて、7/9(土)は高校の寮にて遠隔授業を行いました!

約700㎞離れた宮崎県えびの市にある、県立飯野高校との遠隔授業です。

 

遠隔配信の様子
遠隔授業の様子

 

L字スクリーンや通信技術との連携により、このような素晴らしい遠隔授業が実現しました。
遠く離れていても、すぐ近くで生徒たちが対話しているような臨場感・雰囲気に、本当に感動しました。

「つながる教室」のCMが、現実となりました。

(「つながる教室」URL:https://www.ntt-west.co.jp/ad/company/tsunagaru.html

 

今回の遠隔授業には、飯野高校からは5名、隠岐島前高校からは5名の生徒が参加し、活発なディスカッションが行われました。

自己紹介(得意なこと、地元の自慢)からスタートし、「地元の特産品のPR方法」というテーマでお互いにプレゼンをします。

 

まずは、飯野高校からの発表。

生徒たちからは、宮崎牛と地元のお米「えびの米」をコラボした「肉巻きおにぎり」を作って道の駅で販売したこと、またその経験から得られたこと、などについて発表がありました。
宮崎牛と何かコラボできないかと考えた結果「肉巻きおにぎり」にたどり着いたそうで、地元の特産品を組み合わせた素敵な発想です。

販売後、生徒たちは自主的にアンケート調査を実施したそうで、しっかりとPDCAを回すことを心がけていました。

 

続いて、隠岐島前高校の発表。
海士町の特産である「あいがもこしひかり」を使って米を売っている夢ゼミグループによる発表でした。

海士町ソフトボール大会当日の販売活動では、地域の方々からの協力があって完売できたことや、当日の朝に冷凍庫が壊れたことによるトラブルをどう乗り越えたのか、などについて発表がありました。
「生産者の思いを聞いて、行動に移す」ことの大切さや、「お米の特徴を伝えきれていないのではないか」といった反省についてのプレゼンもありました。
こちらも、PDCAサイクルをしっかり回しています。
フリートークでは、飯野高校の活動を聞いた島前高校生徒から「海士町でも肉巻きおにぎりを作ってみたい!」という声も挙がりました。

 

生徒にとっては、今後の活動のヒントやより良い発想を得ることができた、充実した時間となったのではないでしょうか。
授業の最後は、豊田センター長から「第一次産業の意味や価値」、「未来を作るのは自分自身である」というお話もありました。

遠隔授業の初回を終えましたが、なんと言ってもL字スクリーンの無限の可能性を感じずにはいられないです。
今後どのような活用がされていくのか、とてもワクワクします。

 

長谷川

「人を幸せにするおカネを感じるワークショップ」開催!(インターン今井)

はじめまして!

今年度4月より隠岐國学習センターでインターンとして働いております、今井伸哉と申します。

大阪生まれ大阪育ちで、現在は同志社大学社会学部に所属しております。大学では田植えをしたり稲刈りをしたり、写真を撮るために旅に出たり、ファッションショーを企画・運営したり、多種多様なことをしてきました。これから、よろしくお願いします!

 

さて、5/22に慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の保井俊之(やすい としゆき)特別招聘教授をお招きし、「人を幸せにするおカネを感じるワークショップ」を行いました。

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  イントロダクション

現実世界に流通している貨幣と同じ意味合いをもつ「ゼニー」、感謝を繋げていくことで価値が生まれる「エミー」という2種類の仮想通貨を使い、貨幣がゼニーだけのゼニー商店街と反対に貨幣がエミーだけのエミー商店街という仮想商店街を体験しました。ゼニー商店街では儲けの極大化を、エミー商店街ではありがとう(感謝)の極大化を目指し、店舗に見立てられた各グループが活動を行いました。

グループ活動の様子
グループ活動の様子

ゼニー商店街では、儲けの極大化のためなら「なんでもあり」なので各グループが戦略を練って、メンバー全員が目をギラギラさせているグループもいれば、のほほ~んとしたグループも…。「この商品、30ゼニーで買って!」、「いや、それ違うところでは20ゼニーで売ってたよ!」といった会話がそこらじゅうから聞こえてきて、参加者全員が思考をフル回転させている様子が伺えました。

「ゼニー商店街」の様子
「ゼニー商店街」

エミー商店街では、感謝を送ることでお金が回るので、いたるところから「ありがとう!」「こちらこそありがとう!」との声が聞こえてきて、「どうしたら他人から「ありがとう」と言ってもらえるのかを考えることは難しいことだけど、考えている時は楽しい!」という生徒の言葉もありました。

「エミー商店街」の様子

「エミー商店街」

振り返りでは、保井先生から「幸せの4つの因子」についてのお話がありました。

幸せの4つの因子とは、①自己実現と成長(やってみよう因子)②つながりと感謝(ありがとう因子)③前向きと楽観(なんとかなる因子)④独立とマイペース(あなたらしく因子)のことで、この4つの因子をもっていると幸せを感じやすいとのこと。生徒も熱心に保井先生のお話をメモしていました。

「幸せの4つの因子」について

「幸せの4つの因子」とは…。

生徒・地域の方々・学習センタースタッフが一緒になって「お金と幸せ」について考える、非常に良い機会になったと思います。

もうすぐ梅雨の時期ですね。

お体にはお気をつけてお過ごしください。

 

今井

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