ピザ窯づくり奮闘記③
ピザ窯づくり奮闘記第3弾。今回はピザ窯をつくる作業についてです。
予想以上に準備に時間がかかり、テンポよく作り上げなければなりませんでした。そのため、地ならし、基礎づくり、窯の土台づくり、窯のドームづくり、と作業工程を分解し、日ごとにやることを決めていきました。
―地ならしという名の、草刈りー
ピザ窯をつくる場所を、学習センター裏の空き地に決定しました。ただそこは、軽い傾斜があり、夏は雑草が生い茂る場所。基礎を築くための地ならしで発生する作業は、①草を刈る、②傾斜を削り水平な地面をつくる、と大きく分けられます。
まずは草刈り。町内の友人から草刈り機をお借りし、空き地で猛威を振るう雑草を倒していきます。
刈り終えた草を一ヶ所に集め、表層の砂利をどかします。その後スコップを使って傾斜を削り、目分量で水平にしていきました。この作業、草の量が相当あり、地面が砂利であることも相まって神経を使う作業で、草刈りが地ならしの労力のほとんどを占めています。ただこの草刈り、ピザ窯をつくる上で必要な作業である以前に、学習センターの敷地を管理・維持するために必要な作業であったため、結果的に塾のスタッフから感謝されることに。ピザ窯の維持のためにも、塾の管理・維持のためにも、これからは定期的に草刈りしようと思ったのでした。
ー正解が分からない、基礎づくりー
ある程度均した土地にピザ窯を建てる寸法を記し、そこを10㎝ほど掘ります。
この穴に砂利を敷き詰め、その上に水気の少ないモルタルを流し込みます。基礎というだけあって、この作業が上にできるピザ窯の運命を左右するだけあって、失敗ができません。参考にしている本や、インターネットから情報をかき集め、導き出したやり方なので、おそらく問題はないのですが、ほんとうにこのモルタルが固まって基礎になるのか、疑心暗鬼になりながらの作業でした。どのくらいの水の分量で、どのくらいの量のモルタルを流し込めばいいのか、正解が分からないことが不安な気持ちを誘発しています。結果から申し上げると、何の問題もなく翌日には固まっていました。全くあの心配は何だったのかと思い返せば笑えてきます。同時に、セメントと砂と水を混ぜただけのモルタルがカチカチに固まる、この化学反応が不思議で、とても興味深いものでもありました。
-初の左官作業、ピザ窯土台づくりー
基礎が完成したので、いよいよ窯づくりです。あまマーレさんから頂いた巨大なU字溝を薪を燃やす窯として活用します。
大人6人がかりで持ち上げ、それを上下に重ねます。持ち上げる隙に、すかさずモルタルをコテで塗り接着させます。接着させたら忘れず水平をとり、狂いのない土台をつくりました。
必死の思いで重ねた土台。このU字溝の脇をコンクリートブロックで固め、土台の強度とピザを焼くドームの面積を確保します。ブロックも重ねる一つ一つにモルタルを塗っていき、U字溝の上端と同じ高さにくるまで積み重ねました。
これらU字溝とコンクリートブロックの上に、焼き台となる耐火レンガを重ねます。モルタルを塗り、レンガを重ねては水平を取る作業を繰り返します。
これでようやく土台の完成です。あとはドームをつくる作業です。全体の進捗度で表すと70%が完了した状態です。なんとか予定期間内に終わる道筋が見えてきました。
続きのドームづくりは次回の奮闘記でご紹介します。実際につくる作業は、汗を流し力を使う作業ではあるものの、今までの持っている知識を使いながら、新たな興味や発見が生まれる、とてもクリエイティブで頭を使う時間でありました。「やるからには美しく完璧に」。職人魂ではありませんが、どことなくそんな感情が湧き出してきました。ピザ窯への愛情かもしれません。
ピザ窯づくり奮闘記④へ、つづく。