むじゅん【矛盾】
みなさん
学んでますか。
大人は仕事をします。
みなさんは学んでください。
先日,ターナーの絵を見ました。
イギリスの風景画です。
イギリスの空と海の絵です。
海は荒れています。
空は曇っています。
イギリスの曇天(どんてん)が描かれていました。
僕はイギリスの曇天が好きです。
イギリスは曇りが多いのです。
白黒はっきりしない天気が多いのです。
白黒はっきりしない天気が僕は好きです。
晴れたり雨が降ったり,曇ったり。
アンニュイな感じが好きです。
アンニュイとは 退屈 という意味です。
アンニュイ が好き,ということは
退屈が好き,ということになります。
好きなら退屈してないようにも思います。
矛盾しているように思えます。
矛盾,
難しい言葉です。
矛盾とは 論理のつじつまがあわない ことです。
どんな盾(たて)もつらぬく矛(ほこ)
どんな矛(ほこ)の攻撃も防ぐ盾(たて)
を売っているひとがいました。
どんな盾もつらぬく矛 と どんな矛も防ぐ盾
そのふたつをぶつけたらどうなるのか。
話のつじつまがあいません。
盾が防げば
どんな盾もつらぬく矛 が嘘になります。
矛がつらぬけば
どんな矛も防ぐ盾 が嘘になります。
話のつじつまがあいません。
これを 矛盾 というのです。
アンニュイな感じが好き
は矛盾です。
しかしこれは嘘ではないのです。
矛盾しているかもしれませんが
嘘ではないのです。
難しい感覚です。
人間は矛盾をかかえているものかもしれません。
好きなのに,嫌いと言ったり,
嬉しいのに,すねてみたり。
白黒はっきりしてほしいものです。
しかしそうもいかないみたいです。
人間は矛盾をかかえているのです。
閑話休題。
ターナーのかく曇天は
絵の具をキャンバスにかきなぐった感じです。
適当にかいているようにも見えます。
しかしそんなことはないのです。
本当は緻密に計算された構図と
ターナーの天賦の感性によって完成された絵です。
それは目の当たりにしないとわかりません。
本物は本当に見に行くとよいのです。
そこから感じるものは,どんなに言葉をつくしても
説明ができないものなのかもしれません。
実際に絵をかいてみるのもいいと思います。
するとターナーの偉大さがわかります。
ターナーと自分の位置の差がわかるのです。
ゴールを設定するのはよいことです。
自分の位置との差がよくわかります。
差がわかるからゴールまでの計画ができるのです。
ゴールなしで前へ進むのは難しいことです。
みなさん,ゴールを設定しましょう。
そして計画をたてましょう。
ゴールに着くように計画をたてましょう。
ゴールに着くのは最短距離でなくてもよいと思います。
ゴールまで最短で行く必要はありません。
ぐるぐる巡って到達するのもよいものです。
急がば回れ
とも言いますし。
むかし急いで回ったのは琵琶湖です。
琵琶湖には渡し船がありました。
向こう岸に渡る船です。
ところが天気が悪いとむしろ遅く着くのです。
早く向こう岸に着くには
歩いて回ったほうがよいのです。
だから急がば回れ,というのです。
急いでいるときこそ遠回り
これは矛盾していません。
琵琶湖は 琵琶 にカタチが似ています。
だから 琵琶湖 と名づけられました。
琵琶 と言えば 琵琶法師。
琵琶法師 が,たくさんいるとは
最近まで知りませんでした。
国語の授業を見学して知りました。
琵琶法師とは平家物語を伝えたひとです。
よく考えたら当たり前のことです。
インターネットもテレビもラジオもない時代。
通信が発達していない鎌倉時代。
ひとりで広められるわけありません。
しかし,なんとなく 琵琶法師 を
固有名詞と思い込んでいました。
よく考えてみたら当たり前のことです。
ひとりなわけありません。
たくさんの琵琶法師が伝えたのです。
赤い旗の平氏と白い旗の源氏の戦いを
たくさんの琵琶法師が伝えたのです。
琵琶を弾きながら語ったのです。
平家物語を歌ったのです。
ですから広く知れわたりました。
運動会や大晦日の歌番組で
いまでも赤白対抗しているのは
源平合戦のなごりです。
赤い旗の平氏と白い旗の源氏のなごりです。
赤白対抗するのは源平合戦です。
白黒対抗するのはオセロです。
オセロは日本人がつくったゲームです。
長谷川五郎氏がつくったゲームです。
牛乳瓶の蓋で試作版をつくったゲームです。
ですからオセロのコマは牛乳瓶の蓋と
ほとんど同じ大きさです。
ちなみにオセロと名づけたのは
長谷川五郎のお父さんです。
長谷川四郎という方です。
英文学者だったのでオセロと名づけたそうです。
オセロの話になったので
白黒話でまとめたいところです。
白黒はっきりしない曇天の話が
どうも前フリのようですし。
いろいろ遠回りして,やっと白黒話にたどり着きました。
ぐるぐる回ってたどり着きました。
急がば回れともいいますし。
しかし白黒話でどうにもまとまりがつきません。
回ったわりにはまとまりません。
ですから白黒話で終わるのをやめておきます。
どんてん返し,もとい どんでん返し。