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2017年11月の記事

高2グローカルゼミ発表会がありました!(細井)

はじめまして!
インターンの細井梨沙です。
教育に興味があり、魅力化プロジェクトのことをもっと知りたくて、島前にやってきました!
現在早稲田大学の4年生です。

 

さて、先日は2年生のグローカルゼミの発表会がありました。
インターン2日目だった私は、これまでの活動を全く知らないまま、発表会を拝見しました。話についていけるかな?という最初は心配しましたが、それは全くの杞憂。
楽しそうに自分たちのプロジェクトを語る生徒たちの話にあっという間に引き込まれ、ブログ用の写真を撮るのも忘れてしまいそうになるほど。
最後は感動で思わず涙を浮かべてしまいました。

グローカルゼミは5つの分科会に分かれて活動しており、そのどれもが個性的で魅力的だったので、1つ1つ紹介します。

① 夢ゼニ(宮野・濱中ゼミ)
「夢ゼニ」では、海士町の地域通貨「ハーン」を題材に、その活用方法についての提言がなされました。
私が感心したのは、これがただ頭の中だけで考えた提案ではなく、生徒たちが行動を起こしていた、ということです。
役場にハーンが残っている現状をどうにかしたい、という明確な課題設定から、さらに現状を深掘りするために、生徒たちは実際に聞き取り調査を行い、そこから得た知見を糧に、キンニャモニャ祭り(海士町の大きな祭り)で、この地域通貨「ハーン」を実際に流通させたのです。
この経験から、地域通貨「ハーン」の可能性を感じた、という生徒たち。気づきを活かしてもう一度考えを練り直し…提案した内容には、さすがの手ごたえがありました。
観客はスタッフ含め20名ほどいたのですが、その中には観光協会の方もいらっしゃり、生徒たちは観光協会に直接声を届けているんだ、変えようとしているんだそして、大人も、生徒たちの声を聞きに、足を運んでいるんだ…という、この島では今では見慣れているのかもしれない(?)光景に、島に来たばかりの私はすっかり驚いてしまいました。
Y(やったこと)W(わかったこと)T(次やること)を意識して、いろいろなことに挑戦していく生徒の姿。見習うことがたくさんです!

 

円- 縁-Enjoy! というタイトルがまた素敵です。

 

② 俺の勝負プレートゼミ (塚越ゼミ)
塚越さん率いる「俺の勝負プレートゼミ」は、料理を通じて、PDCAサイクルを回した経験を話してくれました。
肉じゃが、という基本の料理を作るところから、「学習センターらしい」ワンプレート、そして、「自分(その人)らしい」ワンプレート、という風にお題の難易度は上がっていったようですが、
生徒達の成長スピードは、その難易度上昇を遙かに凌駕していたよう。
最初の時とは比べものにならない、美味しくて、こだわりのある料理ができた、とのフィードバックがありました。
当初は「これでいいよねー」という妥協の姿勢だったのが、最後には「本当にこれでいいの?」と自分たちの決定を疑う、本気の姿勢になっていた、と塚越さん。それが、この短期間での急成長の要因かもしれません。
Plan – Do – Check- Action というプロセスは、プロジェクトを動かす時だけではなく、普段の学習や料理といった私生活でも活きるものだということを、生徒が身をもって証明してくれました。

「自分らしいワンプレート」生徒達の個性が光ります。

③ 「表現ゼミ」(千葉ゼミ)
「表現ゼミ」では、学習センターの隠岐部屋が、突如アートギャラリーに。 暗闇の中に素敵な作品が浮かびあがったり、展示された作品のタイトルを予想したり。 作品は、絵や、箱・粘土を使った立体表現を伴うもの、影絵や切り絵の要素があるもの、削りや磨きといった動作で作り上げたデザイン作品、自身が撮った写真を集めたもの…等、本当に様々。
生徒も、スタッフも、お客様も、夢中になって、一つ一つの作品を鑑賞していました。
何よりも特別だったのは、生徒一人一人から、それぞれの作品に込めた想いや、製作に至る経緯を聞くことができたこと。
「なんでも自由に表現して良い」という機会は、日常では案外少なかったりします。学校の課題でも、テーマが決まっていたり、使うものの制約があったりするのが常ではないでしょうか? それが、なんでも、自由にやっていい、となったとき。突然ひらけた無限の可能性に、私たちは時として途方に暮れてしまいます。 そんな中、“何を作ろうか、表現しようか、自分は何がしたいだろうか?”と頭を悩ませ、生徒達が辿り着いた作品達。
その旅路を垣間見ることができたようで、とても嬉しく、貴重なものをみせてもらったと、感謝する気持ちになりました。

教室が、アートギャラリーに早変わり。

 

④ 「五感解放ゼミ—己を解き放て—」(福田ゼミ)
5つの個性豊かなゼミの中でも、特にインパクトが強かったのが、この五感解放ゼミ。
「己を解き放て」というサブタイトルにふさわしく、生徒達が「自然」に還り、己の興味の赴くまま、探求していたのが印象的でした。
多毛類チームは、海士町にも多毛類(イソメ)がいるのではないか?と考え、自ら手足を動かして調査。
“キモチワルイ”という通常の感覚を失う、”カワイイ”の基準が狂う、という弊害もあったようですが、無事に発見することができたそうです。
他にも、牛と鳥の関係性、竹の活用方法を調べたチームがあったのですが、どれも生徒が自らの「五感」をフル活用して、学びとっていたのが素晴らしいと感じました。
「学び」は本来主体的であるはずなのに、モノも情報も溢れかえる現代社会において、私たちは受け身であることに甘んじてしまいがち。五感をフル活用させる機会は乏しくなりがちです。
でも、実際に自分の目で、耳で、鼻で、舌で、皮膚で、感じて学ぶこと、これに勝る強い学びはないのかもしれません。
生徒達のいきいきとした表情が、私にそれを教えてくれている気がしました。

竹の活用方法を、実体験を基に紹介。

⑤ 学C魅力化ゼミ(澤・中山ゼミ)
最後に発表した「学C魅力化ゼミ」は、学習センターの魅力化に取り組んでいました。
そのテーマのもと、半年以上活動を続けてきた彼らの苦悩と努力の軌跡を、私たちに伝えてくれたのです。
全然人の集まらなかった、初回のミーティング。他のゼミは楽しそうに見えるのに、どうして自分たちはこんなに辛いんだ、とまわりと比べては辛くなる…話はなかなか進まず、焦りだけが募って、メンバー内では喧嘩も勃発。「過酷ゼミ」だった、と本人達は振り返っていました。
けれど、そういった衝突を繰り返し、苦楽を共にする中で、チームにはいつしか絆が生まれ…「学習センターをもっと魅力的に、地域に開かれた場所にする」とのビジョンを胸に、共に前に歩み始めているようです。
そんなチームの軌跡を語るうち、メンバーには込み上げてくるものがあったようで…

涙ぐむ生徒・・・

私たちも、思わずもらい泣き。
自分たちの挑戦はまだ終わってない、実行しないと!と今も頑張り続ける生徒達。
心がぐっと掴まれて、あつくなるのを感じました。

 

こんなに、心から誰かを応援したいと思ったのはいつぶりだろう。そして、こんな気持ちになったのは何故だろう。
生徒達の、エゴを感じさせない、真っ直ぐで純粋な気持ちと姿勢、それからその瞳に宿る、「本気」の灯なのかもしれません。

まとめ:
今回の発表を通し、島前高校生の魅力と強みを知ることができました。
見せかけや、建前の一切ない、等身大の自分でぶつかる強さ。
「頭でっかち」にならず、しっかり行動を起こしているからこその、「自然体」の自信。
チームメイト同士、そして発表者と観客の間を結ぶ、強い信頼。
通常の「発表会」とは異なる、本当に特別な空間でした。
この場を作り上げた、生徒一人一人の力と、家庭、学校、地域のサポート、担当スタッフの努力に心からの敬意と、感謝を込めて。
本当にありがとうございました!

 

インターン細井

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