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高2グローカルゼミ発表会がありました!(細井)

はじめまして!
インターンの細井梨沙です。
教育に興味があり、魅力化プロジェクトのことをもっと知りたくて、島前にやってきました!
現在早稲田大学の4年生です。

 

さて、先日は2年生のグローカルゼミの発表会がありました。
インターン2日目だった私は、これまでの活動を全く知らないまま、発表会を拝見しました。話についていけるかな?という最初は心配しましたが、それは全くの杞憂。
楽しそうに自分たちのプロジェクトを語る生徒たちの話にあっという間に引き込まれ、ブログ用の写真を撮るのも忘れてしまいそうになるほど。
最後は感動で思わず涙を浮かべてしまいました。

グローカルゼミは5つの分科会に分かれて活動しており、そのどれもが個性的で魅力的だったので、1つ1つ紹介します。

① 夢ゼニ(宮野・濱中ゼミ)
「夢ゼニ」では、海士町の地域通貨「ハーン」を題材に、その活用方法についての提言がなされました。
私が感心したのは、これがただ頭の中だけで考えた提案ではなく、生徒たちが行動を起こしていた、ということです。
役場にハーンが残っている現状をどうにかしたい、という明確な課題設定から、さらに現状を深掘りするために、生徒たちは実際に聞き取り調査を行い、そこから得た知見を糧に、キンニャモニャ祭り(海士町の大きな祭り)で、この地域通貨「ハーン」を実際に流通させたのです。
この経験から、地域通貨「ハーン」の可能性を感じた、という生徒たち。気づきを活かしてもう一度考えを練り直し…提案した内容には、さすがの手ごたえがありました。
観客はスタッフ含め20名ほどいたのですが、その中には観光協会の方もいらっしゃり、生徒たちは観光協会に直接声を届けているんだ、変えようとしているんだそして、大人も、生徒たちの声を聞きに、足を運んでいるんだ…という、この島では今では見慣れているのかもしれない(?)光景に、島に来たばかりの私はすっかり驚いてしまいました。
Y(やったこと)W(わかったこと)T(次やること)を意識して、いろいろなことに挑戦していく生徒の姿。見習うことがたくさんです!

 

円- 縁-Enjoy! というタイトルがまた素敵です。

 

② 俺の勝負プレートゼミ (塚越ゼミ)
塚越さん率いる「俺の勝負プレートゼミ」は、料理を通じて、PDCAサイクルを回した経験を話してくれました。
肉じゃが、という基本の料理を作るところから、「学習センターらしい」ワンプレート、そして、「自分(その人)らしい」ワンプレート、という風にお題の難易度は上がっていったようですが、
生徒達の成長スピードは、その難易度上昇を遙かに凌駕していたよう。
最初の時とは比べものにならない、美味しくて、こだわりのある料理ができた、とのフィードバックがありました。
当初は「これでいいよねー」という妥協の姿勢だったのが、最後には「本当にこれでいいの?」と自分たちの決定を疑う、本気の姿勢になっていた、と塚越さん。それが、この短期間での急成長の要因かもしれません。
Plan – Do – Check- Action というプロセスは、プロジェクトを動かす時だけではなく、普段の学習や料理といった私生活でも活きるものだということを、生徒が身をもって証明してくれました。

「自分らしいワンプレート」生徒達の個性が光ります。

③ 「表現ゼミ」(千葉ゼミ)
「表現ゼミ」では、学習センターの隠岐部屋が、突如アートギャラリーに。 暗闇の中に素敵な作品が浮かびあがったり、展示された作品のタイトルを予想したり。 作品は、絵や、箱・粘土を使った立体表現を伴うもの、影絵や切り絵の要素があるもの、削りや磨きといった動作で作り上げたデザイン作品、自身が撮った写真を集めたもの…等、本当に様々。
生徒も、スタッフも、お客様も、夢中になって、一つ一つの作品を鑑賞していました。
何よりも特別だったのは、生徒一人一人から、それぞれの作品に込めた想いや、製作に至る経緯を聞くことができたこと。
「なんでも自由に表現して良い」という機会は、日常では案外少なかったりします。学校の課題でも、テーマが決まっていたり、使うものの制約があったりするのが常ではないでしょうか? それが、なんでも、自由にやっていい、となったとき。突然ひらけた無限の可能性に、私たちは時として途方に暮れてしまいます。 そんな中、“何を作ろうか、表現しようか、自分は何がしたいだろうか?”と頭を悩ませ、生徒達が辿り着いた作品達。
その旅路を垣間見ることができたようで、とても嬉しく、貴重なものをみせてもらったと、感謝する気持ちになりました。

教室が、アートギャラリーに早変わり。

 

④ 「五感解放ゼミ—己を解き放て—」(福田ゼミ)
5つの個性豊かなゼミの中でも、特にインパクトが強かったのが、この五感解放ゼミ。
「己を解き放て」というサブタイトルにふさわしく、生徒達が「自然」に還り、己の興味の赴くまま、探求していたのが印象的でした。
多毛類チームは、海士町にも多毛類(イソメ)がいるのではないか?と考え、自ら手足を動かして調査。
“キモチワルイ”という通常の感覚を失う、”カワイイ”の基準が狂う、という弊害もあったようですが、無事に発見することができたそうです。
他にも、牛と鳥の関係性、竹の活用方法を調べたチームがあったのですが、どれも生徒が自らの「五感」をフル活用して、学びとっていたのが素晴らしいと感じました。
「学び」は本来主体的であるはずなのに、モノも情報も溢れかえる現代社会において、私たちは受け身であることに甘んじてしまいがち。五感をフル活用させる機会は乏しくなりがちです。
でも、実際に自分の目で、耳で、鼻で、舌で、皮膚で、感じて学ぶこと、これに勝る強い学びはないのかもしれません。
生徒達のいきいきとした表情が、私にそれを教えてくれている気がしました。

竹の活用方法を、実体験を基に紹介。

⑤ 学C魅力化ゼミ(澤・中山ゼミ)
最後に発表した「学C魅力化ゼミ」は、学習センターの魅力化に取り組んでいました。
そのテーマのもと、半年以上活動を続けてきた彼らの苦悩と努力の軌跡を、私たちに伝えてくれたのです。
全然人の集まらなかった、初回のミーティング。他のゼミは楽しそうに見えるのに、どうして自分たちはこんなに辛いんだ、とまわりと比べては辛くなる…話はなかなか進まず、焦りだけが募って、メンバー内では喧嘩も勃発。「過酷ゼミ」だった、と本人達は振り返っていました。
けれど、そういった衝突を繰り返し、苦楽を共にする中で、チームにはいつしか絆が生まれ…「学習センターをもっと魅力的に、地域に開かれた場所にする」とのビジョンを胸に、共に前に歩み始めているようです。
そんなチームの軌跡を語るうち、メンバーには込み上げてくるものがあったようで…

涙ぐむ生徒・・・

私たちも、思わずもらい泣き。
自分たちの挑戦はまだ終わってない、実行しないと!と今も頑張り続ける生徒達。
心がぐっと掴まれて、あつくなるのを感じました。

 

こんなに、心から誰かを応援したいと思ったのはいつぶりだろう。そして、こんな気持ちになったのは何故だろう。
生徒達の、エゴを感じさせない、真っ直ぐで純粋な気持ちと姿勢、それからその瞳に宿る、「本気」の灯なのかもしれません。

まとめ:
今回の発表を通し、島前高校生の魅力と強みを知ることができました。
見せかけや、建前の一切ない、等身大の自分でぶつかる強さ。
「頭でっかち」にならず、しっかり行動を起こしているからこその、「自然体」の自信。
チームメイト同士、そして発表者と観客の間を結ぶ、強い信頼。
通常の「発表会」とは異なる、本当に特別な空間でした。
この場を作り上げた、生徒一人一人の力と、家庭、学校、地域のサポート、担当スタッフの努力に心からの敬意と、感謝を込めて。
本当にありがとうございました!

 

インターン細井

授業は誰のもの?もちろん生徒のもの!高1夢ゼミ進行中!(澤)

授業は誰のもの?もちろん生徒のもの!

 

こんにちは。澤です。

いつもブログを読んでいただきありがとうございます。

 

4月から「夢ゼミ」(高校の「夢探究」と連動した隠岐國学習センターのキャリア教育)の責任者をしているのですが、大切にしているのは常に「いま」です。

 

これまでの積み重ねを尊重しつつ、

いまの生徒たちに合わないと感じたら大胆にそれを見直す。

 

人の細胞が入れ替わるように、夢ゼミも新陳代謝を繰り返しながら、

鮮度の高い教育を生徒たちに提供していけたらいいなと思っています。

 

高校1年生の夢ゼミは、それを象徴しているゼミです。

 

生徒たちはいま、「島前地域にいるおもしろい人たち」を特集した雑誌づくりに1年かけてチャレンジしています。

 

 

雑誌づくり自体は、昨年度も取り組みました。

今年度の新しいチャレンジはテーマを変えたこと、そして編集権限を生徒に委ねたことです。

 

昨年度は「形」に着目していたのに対し、今年度は「人」に着目しています。

知夫村、西ノ島町、海士町で暮らしているすてきな人たちを一冊の本にぎゅっと集めちゃおうという企画です。

 

すてきな人ってどんな人たちだろうとか、誰がそれに該当するんだろうとか、

そういうところから生徒たちが考え、形にしていっています。

 

 

おもしろいのは、雑誌の編集長を生徒たちがしていること。

立候補した男女5人の生徒たちが共同編集長として、雑誌の方針づくりから毎回の授業運営まで行っているのです。

 

彼らとの事前MTGや当日の授業は思わず自慢したくなっちゃうほどすてきなんです。

編集権限を委ねたからこそ立ち現れた生徒の躍動を一等席で見せてもらっているような感じです。

 

 

今月中までに取材をほぼひととおり終えた生徒たち。

先日の授業中は一心不乱に、でも明るいエネルギーを放ちながら、原稿書きに励んでいました。

 

 

順調にいけば雑誌は来年2月頃に完成します。

いったい何が出来上がるのか、予想の出来ない結末を楽しみに待ちたいと思います。

 

「じぶん夢ゼミ」発表会を開催しました!(インターン寒川)

こんにちは。インターンの寒川です。

さて、学習センターでは自立学習を行う通常授業の他に、夢ゼミというプロジェクト学習型の授業を学年ごとに設けています。

去る7月14日に、8期生である高校3年生の夢ゼミ最終報告会が行われました。2ヶ月ほど前の出来事で日を遡ってしまいますが、その様子をお伝えします。

 

3年生の夢ゼミは「じぶん夢ゼミ」と称して、昨年12月から7月までの8ヶ月の間、週1回、じぶんに焦点を当てた探究活動に取り組んできました。

ある時は一人で黙々と、ある時は仲間と対話をしながら、そしてある時はゲストとの交流を通して、これまでのじぶんと向き合い、これからのじぶんについて考えてきました。

将来の夢が明確な者、志望校に悩んでいる者、学部選びに迷っている者など生徒によって進度はバラバラですが、集大成である最終報告会に向けて、それぞれが持っている想いを言語化するために一人一人努力してきました。

最終報告会本番では、夢ゼミを受講している3年生約45人が4会場に分かれて発表をしました。一人に与えられた持ち時間は、発表、会場からの質疑応答を含めて10分間。限られた時間の中で、高校の仲間、保護者、学校の先生、島留学生の島親さん、地域の方々などこれまでお世話になった方たちの前で、一人一人の生徒が成長した姿を見せてくれました。

一人ひとりが想いをこめて発表します

私は、当日スタッフとして、運営の補助をしながら、生徒の発表を聞いていたのですが、どの会場もこれまでに感じたいことがないような、熱気に包まれていました。どの生徒も一つ一つの言葉を丁寧に紡ぎ、綺麗な言葉じゃなくても泥臭く、飾らないありのままの言葉で自らの想いを本音で伝えていました。そんな彼ら、彼女らの表情はいつになくイキイキ輝いており、背伸びをしない、等身大の自分で勝負をしている姿がとても印象的でした。

自分の夢を語る生徒

ある生徒は口頭で自分の夢について語り、ある生徒はパワーポイントを駆使して大学での学びについて言及し、ある生徒は理想のライフスタイルについて手書きの紙を使って説明し、ある生徒は自らが挿絵を描いた絵本の朗読をするなど、一人一人が持っている個性を爆発させた本気の発表でした。その熱意は聴衆にも伝わり、質疑応答の時間では少し厳しくも愛のこもった質問や応援のコメントなどが多くあり、発表者と聴衆が一体となって夢について深める良い対話の時間となりました。

彼女は自作の絵本(物語は学校の先生)を発表しました

最終報告会終了後、スタッフと生徒で振り返りの時間が持たれました。そこでは、様々な表情が見られました。やりきったと達成感に溢れ笑顔の生徒もいれば、悔しさがにじみ涙をこぼしている生徒もいました。

 

振り返りの様子

ただ、今回の最終報告会はゴールではありません。十人十色の夢を実現させていけるかは、これからの生徒の努力次第です。そのため、発表が上手くいった生徒も上手くいかなかった生徒も、発表をスタートとして、今後それぞれの描く夢に向かって邁進してもらいたいと思います。また、私たちスタッフも生徒一人一人の望む夢、進路の実現に向けて、卒業まで共に伴走していきたいと思います。

 

インターン寒川

門組クラス開講しています!(長谷川)

こんにちは。
指導スタッフの長谷川です。

島前地域にも夏がやってきました。
今回は、私が担当する3年生門組※についてお話します。

門組は、進路に向けて自身に必要な学びをそれぞれ行ってもらうとともに、授業にいろいろな大人に参加してもらいたいと思っています。
その第一弾として、先日の授業では学習センターの総務のスタッフの石田さんに参加していただき、お話をしてもらいました。

お話を聞く生徒たち

身近な大人がどういう人生を送ってきたのか、どのような経験をしてきたのかを知ることによって、生徒たちも自身の将来のイメージが湧き、それにより更に学びへの意欲が深まると考えています。
また生徒からは、相談できる大人も増やすこともできたと言う声も聞こえてきました。

高校の終業式の当日から、学習センターでは夏期講習もはじまりました。

はじまる前に、各生徒が目的・目標を明確にし、やることを洗い出し、それをほぼ日手帳に予定として書き込むことをして、夏を自分の目的達成のために十二分に活用するための準備をしました。

この準備が結構大変で、目的・目標を明確にしなければ、やるべきことを洗い出すことができません。また、やるべきことも、すぐに具体的な行動が移れるようにやるべき内容を細かく分解していかないといけません。さらに、いつ何をやるかを予定に入れるには、他の予定との兼ね合いも考えないといけないなど、実はたくさんの準備が必要です。

 

これは私たち大人にとっても大事なことで、将来のためにも、ぜひ身に付けてもらいたい習慣だと考えており、私たちも支援しながらしっかりと生徒自身で作成してもらうようにしています。

目的・目標シート、やることリスト

夏はまだまだ長いですが、私も、生徒に寄り添いながら、みんなでがんばっていきたいと思います。

※補足

門組は、主に専門学校への進学、また、就職を目指す生徒たちのためのクラスです。
週に2回(月・土)の授業を行っており、生徒10名に対し1~3名のスタッフが常駐しています。

普段の門組の様子

普段は、自立学習を通して、学校課題や定期試験の学習をしたり、進路についてスタッフの力を借りながら文章にしたり言葉にする作業を行っています。

長谷川

「ABD(Active book dialog)世界史学習会」を開催しました!(インターン寒川)

こんにちは。インターンの寒川です。
梅雨の季節ですが、島前ではほとんど雨が降らず、なんだか変な気分です。

学習センターでは平日のみならず、休日にも様々なイベントが催されています。
ABDとはActive book dialogの略で、テキストを参加者で分担して読み、
紙に要約して、全体に発表・共有し、
内容について議論する全く新しい読書法です。

これまでは、試験的に学習センターのスタッフ同士でビジネス書を用いて実施していたのですが、
今回は生徒を対象に学習を深めるためのツールとしてABDを実践しました。

イベントには世界史を履修している高校3年生7名と高校2年生2名が参加し、
中経出版の「タテで覚える世界史B」という参考書を用いて、学びを深めました。
この参考書には、高校の世界史で習うほとんどの内容が網羅されているので、
上手くいけば「たったの3時間で世界史の流れ全てを網羅」できることになります!!

この一見すると無謀とも思える挑戦に高校生9人が挑みました。

まずは、テキストを分割し、担当を割り振ります。

テキストを手にした生徒たちは「アメリカ」「東南アジア」「中国」「ドイツ・フランス」など、
それぞれの担当地域の歴史を紐解いていきます。

習ったことがない内容や以前習ったけどすっかり忘れてしまった内容に苦戦しながらも、
黙々と読み進め、与えられたA4用紙に内容をまとめていきます。
限られた時間の中で、テキストを読み、要約を完成させるために、
頭をフル回転させ、己の限界に挑戦している生徒たちの姿がとても印象的でした。

必死に要約する生徒たち

次に、それぞれが担当した内容を要約の紙を用いながら、
全体に共有しました。
リレープレゼン形式で一人一人ができるだけみんなにわかりやすいように、
伝わりやすいように工夫を凝らした発表を見せてくれました。

私たちインターンは、「あれだけ複雑な歴史の流れをこれだけシンプルにまとめてくるのか!!」と
高校生のポテンシャルに終始、脱帽していました。

自分が担当した箇所を発表していきます

最後に、全員分のまとめの紙を机に並べ、それを眺めながら対話の時間を設けました。

皆がまとめたものを並べて観賞

こちら側が何も言わなくても、
「この国とこの国が当時対立していたのか」
「この出来事がこっちの国のこの出来事につながっているんだね」
「世界が戦争をしている時、この国は国内が揉めていたんだー」
といった、世界史の流れや各国同士の歴史の繋がりへの理解を深めるような会話がいたるところで発生していました。

ダイアログを通して、個々人の学びを全体に集約させることにより、
一人では得られないような、より大きな学びを一人一人の生徒が手にしているように見えました。

 

気が付いたこと、思ったことをシェアしていきます

今回の企画を通して、生徒全員がテキストの内容を理解し、
世界史の流れを押さえることができたとは言い切れません。
しかし、そのきっかけとなる糸口は一人一人が掴めたのかなと感じています。

一人でやる勉強ももちろん大切ですが、今回のように仲間同士で学習をすることで、
学びの効率化・最大化を実現することができるかもしれません。
これからは、私たちがいなくても、
生徒が主体的にABDを活用した学習に取り組んでいってくれるのではないでしょうか。

今後も様々な機会を通して、生徒たちにとって武器となる学びのツールを、
共に試行錯誤しながら渡していければなと思います。
寒川

定期テストの季節がやってきました(澤)

今年も夏がやってきました。

夏休みが間近にせまったこの時期、全国の高校生たちにとって避けてとおれないビッグイベントの一つといえば、そう、定期テストです。

島前高校生たちももちろん同じです。高2生、高3生にとってはもはや定番の、高1生にとっては2回目の定期テストが、やってきました。学習センターでは、島前高校のテストが始まる1週間前から、通常とはことなる特別シフトを組み、生徒たちのテスト対策を応援しています。

高校が終わった放課後の時間から夜10時まで、土日を含め、生徒たちがテスト対策に集中できる環境をスタッフ総出で整えています。

質問をする生徒

とはいえ、個性あふれる生徒たちが集まっている以上、学びのスタイルも十人十色です。

一人で集中して勉強したい生徒もいれば、スタッフに相談したり質問したりしながら実力をつけたい生徒もいます。生徒同士で教えあい学びあいながら対策したい生徒もいますし、映像授業で理解を深めたい生徒もいます。

集中して勉強している生徒たち

 

学びあう生徒たち

こうした生徒たちの声に耳を傾け、学びの環境を整えるのも、わたしたちスタッフの大切な役割です。

限られた空間、限られたスタッフではありますが、「ないものはない」と鼓舞しながら、生徒たちの成績がきちんと上がり、彼らの学びのスタイルにも合致した学習環境づくりを、試行錯誤しながら作っています。

遠隔で指導を受ける生徒たち

 

学びの環境を整えながらいつも思うのは、そのプロセスそのものが学びだということです。そして、そのプロセスに、もっと生徒たちも加わってほしいし、そうすればさらにいい学び舎になるだろうとも思うのです。

実はこうした動きは、ちょっとずつですがすでに始まっています。主体的に、能動的に学びたいという意欲をもった生徒たちが、じぶんたちの学び舎はじぶんたちで作るんだと、活動をはじめているのです。こうした実験がどんなかたちで実を結ぶのか。いまからとても楽しみです。

 

SDGsと自分の夢をかんがえる夢ゼミ(インターン関根)

こんにちは&はじめまして!インターンの関根と申します。
今年の3月に慶應義塾大学を卒業して4月から隠岐國学習センターでインターンを始めました。

突然ですが、実は今週でインターンを終えて、ハーバード大学教育大学院の修士課程コースで勉強するために2週間後にはアメリカへ旅立つ予定です。島前での時間があっという間に過ぎてしまって、もうインターンが終わりだなんて未だに信じられません!

海士町の自慢、三郎岩を間近で見ました

さて、先週は多くの方々が学習センターにお越しくださいました。
今回は、なかでも国谷裕子さんの訪問と授業参加について紹介したいと思います。

国谷さんと学習センタースタッフ

国谷さんのことを、NHK『クローズアップ現代』のニュースキャスターとしてご存知の方が多いかと思います。
彼女は現在、朝日新聞と連携して、Sustainable Development Goals(略してSDGs)に関する啓発活動を行なっております。SDGsは国連で定まった2030年までに達成したい17個の持続可能な開発目標のことを指します。

国谷さんは、教育を通じて持続可能な地域の実現を目指した島前に関心を持って、はるばる島前へ、学習センターへお越しくださいました。
そこで、貴重な機会だったので、国谷さんに高校3年生の自分夢ゼミでSDGsをテーマにした授業に参加していただきました!

授業の様子

さすが一流ニュースキャスター、SDGsという複雑なコンセプトを非常に分かりやすくプレゼンしてくださいました。
一通りSDGsの情報を生徒にインプットしたうえで、次に生徒達に自分達の夢がSDGsを達成するうえでどのように関係するのか考えてもらいました。

ほとんどの生徒にとってSDGsが初耳であったにも関わらず、非常に真面目に自分なりの答えを出して、最後に発表しました。自分の夢の実現が複数の目標達成にまたがる生徒もいれば(中には17個全部と関係するという生徒も!)、どの目標とも直接的に関わらないという生徒もいました。

また、普段はあまり発言しない生徒が自発的に発表したり、「SDGsは大人が決めた目標だけど、次世代を構築する僕たち若者もこの目標設定の段階から関わるべきではないか」という面白い意見が出たり、インターンを始めてから一番印象に残った自分夢ゼミだったといっても過言ではありません。

全ての生徒が敢えてSDGsの実現に向けて夢を築く必要はないと個人的に思っていますが、意識的に“夢×SDGs”を考えることによって、将来それぞれが歩む道を新しい視点から見つめ直す良い機会になったと思います。

 

関根

インターン受験体験談お話会(新立)

こんにちは。
高3担当の新立です。
島前では6月に入った途端、突然の豪雨が襲来しました。

運動部の生徒たちにとっては1年で最も大切な大会、
島根県高校総体が行われています。

一つ上の先輩たちがいよいよ受験に集中し始めた姿を見て、
2年生も勉強に本腰が入ってきています。

そんな中、2年生に向けて、隠岐國学習センターのインターン生3名が
それぞれの受験体験談を話してくれました。

まずは一人ずつ、自身の受験体験についてプレゼン

三者三様の体験談でした。
田畑くんは都立の進学校からの一般入試。
進学校での受験勉強や、偏差値だけで大学を選ぶことへの違和感を感じていたそう。

寒川くんは私立高校からの推薦入試。
高校時代は部活動と高校生団体での活動に力を入れ、どう勉強と両立したかを話してくれました。

関根さんは私立の進学校からのAO入試。
国際的な活動を通して、自分の興味関心を自覚したそう。
学費の問題を解消するため、様々な奨学金制度や留学支援制度を調べ、最善策を見つけて理想を叶えた話をしてくれました。

実体験に基づく話なので、生徒たちも興味津々に聞き入っていました。
今まで考えたことがなかった進路実現の方法に出会うことができたことと思います。

生徒たちは話を聞いたあと、さらに話を聞きたい人の元へ集まってそれぞれグループを作り、自分たちの視点で質問しました。

グループに分かれてさらにじっくり

AO入試、勉強法から大人を説得する方法まで、生徒から次々と質問が出されました。
気になっていること、不安なことを一番近い存在のインターン生に率直に聞くことで、安心できた生徒も多かったようです。

最後に、今日からできることを聞いたところ
学校の授業で寝ない、授業の内容を理解できるように先生や友達に聞く
という声がたくさん聞かれました。

生徒たちは新たな方法・視点を得た一方で、
そのためにすべきことは何も特別なことではないということも同時に気づきました。
授業の時間を大切にする、日々の学習を怠らない
やりたいことを行動に移す
本当に進みたい道を自分で真剣に考える
といったことを見つめ直すきっかけをくれたインターンの3人、ありがとう。

実際の行動に移せるよう、一緒に頑張っていきましょう!

 

新立

今年も、草刈り、始めました。(インターン田畑)

こんにちは。長期インターンの田畑陽です。
大分は別府のAPU(立命館アジア太平洋大学)国際経営学部に所属していますが、今年度4月より1年間、休学して隠岐国学習センターでインターンとして活動させていただくことになりました。
島前に来て早2か月。壮大かつ静謐(せいひつ)な自然に囲まれながら、充実した毎日を過ごしています。

西ノ島の国賀海岸にひっそりと佇む鳥居

5月も半ば、GW明けは中間試験の試験期間でしたが、学習センターでも試験対応ということで特別にシフトが組まれ、日夜訪れる大勢の生徒の質問に答えたり、生徒が自習しやすい環境を整えるべく日々ミーティングを開いたりの毎日でした。
そんな中、学習センターでも自然の息吹を感じる機会が。恒例の草刈りです。

溢れる自然を前に草むしりに取り掛かるスタッフ

今年は各々手作業で草を刈っていたのですが、いかんせん量が多く。特に学習センター裏の草むらは強い根を張り、ただがむしゃらに立ち向かっても埒が明かない、ということで文明の利器、鎌を利用して作業を進めました。これがとても捗る。
最終的には全ての草を刈り終えることが出来ました!いい汗かいた!

 

作業が一段落したら、休憩!

人生というのも、どこか草刈りに似ている部分があるのかもしれません。鬱蒼(うっそう)と茂る課題という名の雑草。全て抜いたと思ったら、また生え始め、終わりが見えない。少し手を加えれば抜けるもの、どう頑張っても一人では抜けないもの、根の張り方も様々。

 

そういう意味では人は皆、自分の庭を持っていて、そこに生え続ける雑草と日々戦っているのかもしれません。
学習センターは、そういった人にとって、隣に立ち、この手強い雑草を共に抜こうと言えるような、抜くにはどうしたらいいのかを一緒に悩みながら考えられるような、そんな存在でありたい。もっといえば、課題と自分で対面するための鎌を用意できる場でありたい。そう考えています。
そう、緑鮮やかな自然というのは、自分の外、周囲にのみあるのではなくて、自分の中にもあるのかもしれませんね。

 

田畑

1学期中間試験の様子(塚越)

こんにちは。学習センターの塚越です。

5月になり、海士町の気温も20℃を超える日が増え、生徒から「アイスが食べたいです!」と、言われることも増えてきました。

さて、島前高校では先日1学期の中間試験が行われました。
隠岐國学習センターでは、中間試験に向けて1年生から3年生までが、一斉に試験に向けて学習していました。

日々の学習の様子を見ていると、生徒一人ひとりの学習方法からも、生徒のそれぞれ個性が見えてきます。
1人で黙々と学習をする生徒もいれば、数名で話し合って学びたい生徒もいます。
特に、試験前のこの期間は、生徒の学習の個性がとてもよく現れます。

隠岐國学習センターでは、そのような様々な個性に対応できる学習環境を作り、生徒達が快適に学習できるように場を提供しています。

学び合いしている生徒たち
3年生も黙々と学習中
黙々と1人で集中するスペース

様々な学習をする中で、質問もたくさん出てきます。そのため、学習センタースタッフが質問対応のブースを準備し、生徒の質問に対応しています。

スタッフによる質問対応

また、今回の試験期間は、高校の先生もたくさん来塾いただき、生徒の質問に対応していただきました。

先生も来てくださいました

質問一つ一つに丁寧に対応していただき、生徒からも「わかった」という声がたくさん聞こえるようになりました。

今後も生徒達の多様な学びに対応できるよう、様々な準備や取り組みをしてまいります。

塚越

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